日本は長きにわたって妊婦や出産後の女性が働きにくい環境でありました。女性は結婚したら退職し、出産子育てに専念するものとするステレオタイプが根強く、女性にとって職場は決して働きやすい環境ではありませんでした。しかし現代では少子高齢化であり、将来日本を担っていく若者の減少や労働力と産業の衰退を懸念し、政府は出生率を上げよと躍起になっています。そこで職場でも妊娠しても出産後も働きやすいように労働環境が整えられつつあります。職場の就業規則でも妊婦や出産後の女性が働きやすいように産休が設けられ、就業規則に明記されています。現代ではどんな女性も働きやすいように配慮されるようになっています。妊娠した女性にとってまず問題になるのが収入の問題といえるでしょう。出産を控え会社を休職してしまうと、その間の生活保障や収入はどうなってしまうのかが問題です。大手企業であれば産休中も満額ではないものの、給与を支給する企業も増えています。中小企業ではこうした休暇中の給与補償はないものの、健康保険組合の出産手当などを受給することも可能です。健康保険に1年以上加入していれば、産休中も健康保険組合が出産手当として給与の標準月収月額平均の三分の二程度の手当を支給してくれます。出産手当の期間は出産日以前の42日から出産翌日以後56日が対象になっています。出産手当金を受給するにはあらかじめ職場の人事や総務に伝えておくことが大事です。専用の申請書類があり、それに必要事項を自分で記入する欄と会社が記入する欄があります。出産手当は産休終了後に提出することになり、そこから1か月や2か月後に支給されることになります。産休真っただ中に出産手当金が支給されるわけではないので、産休に入る前には産休期間の生活費や医療費はあらかじめ用意しておかなければいけません。また最近は育児休暇も取得しやすい職場が増えています。育児休暇というと母親が休むというイメージが強いですが、昨今では父親も進んで育児休暇を取得することが可能になっています。